アグネス・チャン
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８５年１０月１日発売の「アイドル４０年」（近代映画社）からのカットの、１枚目です。 アグネス・チャンは、何と９人兄弟だったそうです。
姉のアイリーンが、香港で女優として活躍していた頃、中学生のアグネスも、
テレビのドキュメンタリー番組で、戦争で被災した若者たちにインタビューしていました。
（ボランティア活動の一環として）。
「アイドル４０年」からのカットの、２枚目です。 アグネス・チャンは、音楽の先生に憧れて、ギターを習っていたそうです。
中学生の頃のインタビューが好評で、アマチュアのフォークアルバムに、
１曲だけ、ギターを弾いてレコーディングしました。
それが、映画「いちご白書」の主題歌「サークル・ゲーム」のカバーでした。
「サークル・ゲーム」は好評で、シングルカットされ、香港で大ヒット。
いまだに、香港では一番売れたシングルになっているそうです。
アイドル黄金時代大名鑑（２００２年３月２５日発売）から、 アグネス・チャンに対する評価記事です。
このムック本は８０年代アイドル中心なので、７０年代アイドルは文章が短いです。
アイドルに「妖精」のイメージはよく似合い...と書いてありますが、
広東語では、「妖精」はなく「妖怪」（デビル）だと思い、悩んだそうです。
アグネス・チャンは、香港では笑わない事で有名だったので、
デビュー曲「ひなげしの花」（下のレコードジャケット）では、
笑顔が作れず悩んでいた時、姉のアイリーンが、
「アグネスは、ギター持って歌えば、笑顔が出来るよ。」とアドバイスし、
ギターを持ったジャケットが完成しました。
月刊明星の７３年１月号の、１ページ目です。 （モノクロなので、カラー化してみました。）
文章に書いてあるように、姉のアイ・リーンは、香港で有名な女優でした。
実際には、その女優に会うために平尾昌晃が香港に行った時、
「サークル・ゲーム」が大ヒットし、姉との共演映画で、既に有名になっていたアグネスが、
「アグネス・チャン・ショー」という冠番組をやっていて、
その番組にゲスト出演した平尾昌晃が、日本でのデビューを説得、連れてきたそうです。
日本でのデビュー曲「ひなげしの花」は、７２年１１月２５日リリース。
記事では、１２月に来日と書いてあります。この頃でも、新人アイドルは、
デビュー前にテレビ出演してＰＲするのが当たり前になっていましたが、
デビュー後に来日するとは、それだけ香港では売れっ子スターだったからでしょう。
月刊明星の７３年１月号の、２ページ目です。 （モノクロなので、カラー化してみました。）
既に香港で大人気だったアグネス・チャンは、日本での初任給が５０万円でした。
日本の新人アイドルとは桁外れであり、２年先輩の野口五郎が、初任給３万円、
小柳ルミ子はノーコメントでしたが、アグネス・チャンの初任給を聞いて、
目を白黒させていました。（１５年ぐらい前の日テレの番組において）
このカットのように、ホテル住まい出来るのも、当たり前でしょう。
野口五郎は、風呂も付いていない安アパートだったそうです。
下の２カットで談笑している欧陽菲菲（アグネスより６歳年上）も、台湾出身であり、
台湾で４年間歌手活動をした後、７１年に日本に来たので、アグネス同様、
高額な初任給だったと思います。（アグネスと同じく渡辺プロ所属）
↑１４６の訂正：月刊明星の７３年１月号の、２ページ目 →月刊平凡の７３年２月号の、１ページ目。
月刊明星の７３年１月号の、２ページ目は、これです。
（モノクロなので、カラー化してみました。）
アグネス・チャンの本名は、ここに書いてあるように陳 美齡。
英語では、Agnes Meiling Kaneko Chan これを略してアグネス・チャンにしました。
カトリック信徒であり、「アグネス」は聖アグネスにちなむ洗礼名だそうです。
ここでは６人兄妹の４番目、と書いてあります。この時代でも、
さすがに９人兄妹は珍しいので、６人兄妹と書いたのかも知れません。
月刊平凡の７３年２月号の、２ページ目です。（モノクロなので、カラー化してみました。） いろいろ食べてみたけど、焼き鳥が一番と言っています。
アグネスは、上野公園に鳩が集まっているのを見て、何故みんな捕獲しないんだろうと、
不思議に見ていたそうです。香港では、鳩は高級食材で、ごちそうでした。
これから６か月間、食事はコレ（焼き鳥）だ。と思いましたが、
そう上手く行かないのが日本。アグネスの好物を知らないスタッフは、
アグネスが香港（中国）生まれだから、中華丼ばかり注文していました。
しかも当時の中華丼は、具が白菜主体で、アグネスはがっかりしたそうです。
↑１４６・１４７の訂正：月刊明星の７３年１月号の、２ページ目 →月刊平凡の７３年２月号の、１ページ目。
→月刊平凡の７３年３月号の、１ページ目。
↑１４８の訂正：月刊平凡の７３年２月号の、２ページ目
→月刊平凡の７３年３月号の、２ページ目
月刊明星の７３年２月号の、１ページ目です。
姉から日本語の特訓を受けても、簡単には身に付きません。
デビュー曲「ひなげしの花」のレコーディングでは、歌詞をローマ字で書いてもらい、
意味も分からず、まる暗記して歌ったそうです。
今なら、外国人と言う事で通訳が付く、テレビの歌番組のインタビューも、
当時は通訳が付かず、まる暗記したカタコトの日本語を話していました。
月刊明星の７３年２月号の、２ページ目です。 「サークル・ゲーム」が、香港で大ヒットしていても、父親はアグネスの歌手活動に反対し、
良家のお嫁さんになる事を希望していました。
そのため、何回もお見合いをさせられたそうです。
日本で歌手デビューしたアグネスは、何としても日本で成功しないと、香港に帰省した時、
またお見合いさせられると思い、日本でのアイドル活動を一生懸命行いました。
月刊明星の７３年３月号の、１ページ目です。 アグネスが所属するレコード会社のワーナー・パイオニアは、
７０年に、アメリカの映画会社ワーナーブラザーズと、日本のパイオニア、
そしてアグネスが所属する渡辺プロダクションの３社で設立された会社なので、
アグネスの曲を担当していたのは、渡辺プロの子会社である渡辺音楽出版の
木崎賢治ディレクターでした。
木崎ディレクターは、洋楽マニアの新人ディレクターで、アグネスが香港でフォーク歌手として
人気だった事も知っていて、日本でもフォーク・ソングを歌う事をアグネスは希望していました。
でも出来上がったデビュー曲は、森田公一作曲のアイドル・ソングである「ひなげしの花」。
フォーク・ソングじゃない、アイドル・ソングだと言うアグネスに、
木崎ディレクターは、フォーク・ソングを中華風にアレンジした。と答えましたが、
納得がいかないアグネスでした。
月刊明星の７３年３月号の、２ページ目です。 日本語が２０語ぐらいしか分からないアグネスは、自分が載っている記事を見ても、
何が書かれているのか、全く分からない訳です。
中学の頃、テレビのドキュメンタリー番組で、戦争で被災した若者たちにインタビューし、
こんな悲惨な状況で笑うのはおかしい。と、香港のアグネス・チャン・ショーでも、
笑わないアグネスで通っていた、硬派のアグネスにとって、
自分が載っている記事の事も分からないのは、どれほど悔しかった事でしょう。
日本語をマスターするために、必死に勉強しました。
月刊明星の７３年３月号の、３ページ目です。 香港にいた頃のアグネスについて、詳しく書いてあります。
「アグネス・チャン・ショー」により、熱狂的アグネス・ファンがいる香港では、
いまだに人気があるそうです。久しぶりに香港でコンサートをした時は、
２０曲中、１８曲が覚えていない歌だった（レコーディングの時に歌っただけ）ので、
ほぼ新曲として覚えなければならず、大変だった。と言っています。
月刊平凡の７３年４月号から、１ページものです。 木崎ディレクターが、アグネスのデビュー曲「ひなげしの花」の作曲を依頼したのは、
森田公一。２曲目「妖精の歌」の作曲は、加藤和彦に依頼しました。
アグネスを日本へ連れてきた平尾昌晃が、何で自分の曲がシングルＡ面にならなないんだ。
と、木崎ディレクターに文句をいい、木崎ディレクターは、
３曲目の作曲を平尾昌晃に依頼します。
平尾昌晃の事務所を訪れると、大物歌手が次々と平尾昌晃先生に頭を下げて
作曲のお願いをする姿を見て、初めて「こんなに偉い先生なんだ」と気づいたそうです。
月刊平凡の７３年４月号から、アグネスのミニ百科の１ページ目です。 最初は、６か月の日本滞在で、その後は香港へ戻る予定だったようです。
尊敬する人物に、お父さんと書いていますが、香港へ戻ったら、
そのお父さんに、裕福な家庭の男とお見合いさせられるので、
大ヒットした歌が続き、日本でアイドルとして成功し、
戻らなくなって良かったと、思った事でしょう。
月刊平凡の７３年４月号から、アグネスのミニ百科の２ページ目です。 １４０で、９人兄弟と書きましたが、やはり６人兄弟が正解でした。
香港に住んでいた頃は、両親と６人兄弟以外に、
従妹も３人一緒に住んでいたので、後に放送されたテレビ番組では、
９人兄弟と間違えたのでしょう。
月刊明星の７３年４月号の、１ぺージ目です。 冬でも、日本（多分東京）の４月並みの気温の香港に住んでいたアグネスは、
日本に来るまで、雪を見る事はありませんでした。
札幌の冬のパウダースノウを見て、はしゃいでいるアグネスです。
月刊明星の７３年４月号の、３ぺージ目です。 日本と香港の文化の違いについて、いろいろ書いてあります。
靴のまま家の中に入って行くのは、香港が、当時イギリス領だったからでしょう。
ここには書いてありませんが、初めて和室のテーブルを見た時、
テーブルを共同の椅子だと思い、日本人はシャイなので、
お互い背中を向け合って座る。と思ったそうです。
和室の座り方を知らないのは、それだけ当時の香港が洋風だったからでしょう。
「どうしてもわからないのは、どのテレビ番組でも、同じ人が同じ歌を歌っていること。」
当時は今とは違って、週に歌番組が５０番組ぐらいあったので、
上記発言は、外国人なら不思議に思うのは、当然でしょう。
私たちの世代は、それが当たり前だと思っていたので、疑問も持たずに見ていました。
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